地震に強い家づくり
こんにちは。
株式会社ヒールアース長岡店の田中です。
今回は「地震に強い家づくり」をテーマにお話しさせていただきます。
地震に強い家の特徴について
まず地震に強い家は建築基準法で定められた耐震基準を満たしていることが大前提となります。さらに地盤の状態・耐震等級の違いによって建物の強度が変わっていきます。その他にも地震に強い家には物理的な4つの特徴がありますのでご紹介いたします。
建物構造と建物形状
建物は正方形に近いシンプルな構造が地震に強い家とされております。なぜなら正方形は同じ面積の面で支え合うため、力が分散されやすく倒壊のリスクを軽減できるからです。例えば家の形がL字形状であったり、1階の一部が駐車場で壁が少ない建物では地震のエネルギーを受けやすく倒壊リスクは高くなります。耐震基準を満たし同じ耐震等級だとしても、建物の形によって倒壊リスクは変わるので注意が必要です。
建物の質量
地震エネルギーは建物質量に比例して伝わります。つまり質量が小さいほど、揺れが小さく地震に強いということです。建物の質量は使用されている建材によって異なります。鉄筋コンクリート造や鉄骨造は重たいので、質量だけで考えると比較的軽い木造住宅が地震に強い家ということになります。ただし質量が小さくても地盤が弱かったり、建物形状が複雑な場合は地震に弱くなります。
建物の高さとの関係性
これはイメージしていただければお分かりいただけると思いますが、ビルなどの高い建物ほど地震エネルギーを大きく受けるため揺れやすくなります。これは一般住宅でも同じで、二階建てよりも三階建ての方が揺れの影響を受けやすいため、建物の高さという事に限っては平屋の住宅が地震に強い家ということになります。ただし地盤の状態や建物の構造によって強度が変わるため高さだけで判断することはできません。
地盤
地盤の強さはとても重要です。どんなに耐震補強を施した建物であっても地盤が弱かったら、倒壊したり地盤沈下によって家が傾いたりするリスクが高くなります。地震に強い家づくりは土地探しから始まっているといっても過言ではありませんが、すべての条件を満たす土地はなかなか見つかるものではありません。地盤調査をして地盤が弱いようであれば地盤改良工事等の適切な措置をして安心できる家づくりをスタートしましょう。
耐震・制震・免震の違い
従来、建物の地震対策には耐震構造が最も多く採用されてきました。しかし、近年では制震構造や免震構造といった地震対策も一般化されてきております。そこで次は耐震構造・制震構造・免震構造の違いについて解説していきます。
耐震構造
耐震構造とは主に「揺れに耐えること」を目的として設計されている構造のことです。具体的には建物の骨組みである柱や梁と呼ばれる横架材などの接合部分を丈夫な金物で固定したり、柱と柱の間に斜めに入る筋交いという構造を補強する部材を施工するなどの対策が施された構造を指します。耐震構造は比較的簡単に施すことができる工法なので、一般的に多く取り入れられております。ただし建物全体をがっちりと強く固定するように造るため、揺れに対する柔軟性は期待できません。柔軟性がない建物は地震の揺れをダイレクトに受け止めるため、倒壊リスクは軽減できますが、大型家具が動いたり、棚の中のものが飛び出す危険性があることを認識しておかなくてはなりません。
制震構造
制震構造の一番の特徴は「揺れを吸収する」という点にあります。まずはじめに骨組みの中に筋交いや合板などを施工してから、建物内部にダンパーと呼ばれる振動を軽減する装置を組み込む構造になっております。このダンパーが地震エネルギーを吸収する役割を果たしています。最近では建物の主要構造部に専用の両面テープを施工する制震テープという商材もあります。地震の揺れを吸収するため、弾性に優れた装置・建材を使用することで地震の揺れを吸収する仕組みとなっております。
免震構造
免震構造は「揺れを建物に伝えない」という特徴を持っています。ゴムやボールベアリングと呼ばれるもので作られた免震装置が地震の揺れを建物に伝えません。もちろん多少の揺れは感じるものの気象庁の発表する震度ほどの揺れは感じないので安心感があります。建物がほとんど揺れないため家の中のものが散乱する可能性が低いというのもメリットです。ただし免震構造の建物にするにはかなりのコストがかかります。また縦揺れの地震に対してはあまり効果がないというデータも出ておりますので、これからの技術・製品改良に期待したいところです。
耐震等級とは?
耐震等級とは、地震に対する建物の強度を示す指標のひとつです。住宅の性能表示制度を定める「品確法」に沿って制定されたもので、建物の耐震性能によってランクが3段階に分かれており、その数字が大きければ大きいほど、建物の耐震性能が高いといえます。
耐震等級1
建築基準法上で「震度6~7の大地震でも倒壊・崩壊しない」ことを基準とした建物を『耐震等級1』と定義しております。
耐震等級2
耐震等級1の1.25倍の耐震強度で「長期優良住宅」として認定される最低基準となります。災害時の避難場所として指定される学校や病院等の公共施設は必ず耐震等級2以上の強度を持つことと定められております。
耐震等級3
耐震等級3は耐震等級1の1.5倍の耐震強度があることを示しています。住宅性能表示制度で定められた中で最も高い耐震性能です。災害時の救護活動や災害復興の拠点となる警察署・消防署などが耐震等級3の建物となっております。
震度7の大地震で倒壊しないのなら、『耐震等級1』でも十分?
平屋や2階建ての一般的な木造住宅においては建築基準法の「四号建築物」に該当し、技術的基準を満たしていれば構造計算の義務はないとされているので、かつては住宅業界でもあまり問題視されておりませんでした。しかし、2016年の熊本地震では、繰り返しの大きな地震によって『耐震等級1』『耐震等級2』の住宅が実際に倒壊しています。最初の揺れで躯体に大きな損傷を受け、2度目の揺れに耐えることができなかったのです。つまり『耐震等級1』はあくまでも避難時間を稼ぐための耐震性能に過ぎず、強度として十分でないことが実証される結果となりました。
まとめ
地震に強い家づくりをするためには、地盤・建物の形・構造・耐震補強等が重要ということです。ヒールアースでは『耐震等級3』+『制震構造』の二段構えを標準仕様としております。
最高ランクの耐震性能+制震性能でお客様の命をお守りいたします。これは防災拠点となる警察署や
消防署の強度に制震性能を加えた仕様で『シェルターハウス』といっても過言ではありません。多少、構造上の制限はありますが当社では大切なご家族と住まいを守ることを最優先に、お客さまの要望をできるだけ取り入れつつ『耐震等級3』+『制震』を実現するための最良のプランをご提案させていただいております。